自分が「特定役員」だったと先日はじめて気づいた件

 最近、周りの方に教えてもらってはじめて気づいたことがあります。

 私は昨年7月、「任期付職員」として3年間務めた国税不服審判所を退職し、その際に3年分の退職金を受け取ったのですが(実は任期付職員でも退職金を頂けるのです。)、その際の源泉徴収の金額の計算上、自分が「特定役員」に当たるため、退職所得の金額が2分の1になっておらず、源泉徴収税額が通常の倍になっていた、ということです。

 税額が些少だったからかもしれませんが、教えて頂くまで自分が「特定役員」だと全く気づいていませんでした。

 一般に、退職所得の金額は、受け取った金額から退職所得控除額(※下記参照)を引いた後の金額に2分の1をかけた金額となるのですが、平成 25 年1月1日から、「特定役員」については、2分の1をかけることができないことになっています。
 特定役員とは、法人税法上の役員、議員、 国家公務員及び地方公務員の勤続年数(1年未満の端数がある場合はその端数を1年に切り上げたもの)が5年以下である人をいいます。詳しくは、国税庁のQ&Aをご覧ください。

 

 さて、私もこの規定の存在自体はある程度認識していたのですが、もともとこの規定を設けた趣旨が「天下り」や「わたり」(公務員や議員が、短期間で法人の役員を渡り歩き、その度に退職金をもらうこと)について税務上の旨味をなくして抑制しようというものであったため、自分の中でそのイメージが強く、通常天下りやわたりとは無関係な「任期付職員」にまで適用があるというイメージがありませんでした。

 ですが、改めて条文などを見ると、公務員は全て「役員」に含まれることになっており、私のような立場の任期付職員は「一般職の任期付職員の採用及び給与の特例に関する法律」に基づいて採用された国家公務員なので、「役員」に含まれることになり、しかもこの法律に基づいて採用された職員の任期は5年未満なので、自動的に「特定役員」に当たることになるんですね。

 なるほど、納得しました。イメージ・思い込みが先行しており、これは盲点でした。

 良い勉強になりました。

 

 (※)退職所得控除額

 勤続20年以下:40万円☓勤続年数

 勤続20年超:800万円+70万円☓(勤続年数−20年)

 

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