民法900条4号ただし書きの合憲性に関する最高裁の決定が9月4日に

 最高裁大法廷が、来る94日、結婚していない男女間に生まれた非嫡出子の相続分を、結婚している夫婦の子(嫡出子)の半分とする民法第9004号ただし書きの規定が、法の下の平等を定めた憲法第14条第1項に違反するかどうかが争われた裁判について、決定を下します。この規定を合憲とした従前の最高裁判例を見直し、違憲判断を示す可能性があります。

 

 さて、問題は、この規定を前提とした今までの判決、調停、協議その他の実務上の処理がどのような影響を受けるかという点です。この点について、以下の論説が参考になると思います。

http://www.j.u-tokyo.ac.jp/sl-lr/07/papers/v07part10(nakamura).pdf

 

この論説の内容が全て正しいということになるのかはともかく、少なくともこの論説の、1.当事者間の遺産分割調停ないし協議は事案により錯誤無効とされる余地があり、また2.相続財産中の可分債権(銀行の預金債権のような分割可能な債権)については消滅時効が完成しない限り当事者間での不当利得返還請求が認められる事態が生じる、という指摘については、十分に留意する必要があるのではないかと思われます。

 

 さて、そうなると、さらなる問題は、これまでに処理された相続税の取扱いです。違憲判決が出された場合、この点の検討も不可欠となると思われます。

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